jin-mtk’s diary

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ママの怖い体験

今週のお題「怖い話」

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パパとママがまだ付き合っている頃…
なので、もうかれこれ20年以上前。

看護師をしていたママは病院の寮から独立して一人暮らしを始めました。

駅前なのに格安
一戸建て風の二階建て…いわゆるテラスハウス
一階には、キッチン、トイレ、風呂、和室
二階には、和室が二つとベランダ

玄関を開けると、二階につながる階段
トイレと風呂の続きにキッチン、奥に和室

ママは一階の和室で寝起きしていました。

時々、パパが遊びに来ますが泊まることはなく帰宅…気持ち悪くて泊まれないと…
築50年のボロハウス
でも大家さんが独身女性が暮らすからとリフォームしてくれたので外観よりも中は綺麗でした。

独身看護師、夜勤が中心の生活。
病院の中でも不思議な事は沢山あります。
亡くなった患者さんが挨拶に来てくれたり、片方無くした靴を探して訪ねて来たりと…

ただ、このハウスは、ちょっとランクが上だったのかな。

まずママは腰を痛めました。
トイレにさえ行けないほどに。
北海道の実家から母に来てもらい看病してもらいました。
ママの母はとても霊感の強い人で、来るなり「何…誰と住んでいるの?」と…
イヤー、私一人暮らしです。
彼が来ても泊まっていかないし…気持ち悪いからって…って…まさか、まさかねぇ。

母は玄関、階段、母が寝泊まりする二階の部屋に盛り塩をして…でも無理と言って早々に帰ってしまいました。

若さもあり、腰が痛いなりにも、なんとか働けるようになり職場復帰。
相変わらず夜勤の日々…

でも、3日毎位に家で寝る日があるんです。

引っ越して来たその日から、実は気付いていました。
二階に誰かいる…

夜勤は病院で夜を過ごします、そして次の朝帰宅。
帰宅した日は勤務扱いなので、次の日まで仕事はありません。
つまり、帰宅した日の夜は家で寝るのです。

夜、寝ると二階の部屋を誰かが歩いている音がする。
大きく何周かして一階に続く階段に向かってくる。
そのうち、毎夜、階段を一段ずつ降りてくる。
6ヶ月過ぎた頃には、階段を降りきる。
一階のキッチンを何周か歩き周り、私が寝ている和室の襖を開けるように。

その頃のママは主任になったばかり。
自分の事だけでなく部下のことにも気を配らなくてはならず身体的にも精神的にも疲れ果てていました。
そのためか、彼(当時のパパ)とは喧嘩が絶えず…

元々、細かいことを気にしないタイプのママ。
自分の暮らす家に何か分からない現象が起きているのはわかっていたのですが気にする余裕がなかった…

で、ある日、ついに襖を開けて「何か」は入って来ました。
夜の度に一歩ずつ近づき、ついにママの背中に添い寝して…

2年契約の家
契約継続か引っ越しか…
そりゃ、引っ越しでしょう。

パパと二人暮らしするために引っ越しました。

「何か」が何なのかは分からないまま。
でも背中に添い寝された時「おいで」と言われたような気がするのです…
夢なのか、現実なのか…

不思議な事ってあるのですね…
今、思い出しても恐怖とは違う感情があるんです。

先に住んでいたのは、あちらの方で、勝手にお邪魔したのが私なので。
悪い人なら、私はもっと怖い思いをしていたはず。

たしかに怖い体験なんだけど、あの体験よりも怖い思いを毎日していたので鈍感になっちゃっていたのかもしれませんね。

生きた人間の感情が何より怖いと仕事を通して知った頃だったので…