もっちゃんのトランペット
小学生の頃トランペットを習っていた、もっちゃん。
実は小児喘息だった、もっちゃん。
喘息の改善には肺機能を向上させる必要があり、多くの人はプール教室を選択するのだけど…
もっちゃんも、プールに挑戦したことはあります。
でも…長続きはしませんでした。
ある日、テレビで「天空の城ラピュタ」を見た時、もっちゃんが「もっちゃんもバズーみたいにトランペット吹きたい」と。
そうです、屋根の上で少年が鳩を放ちトランペットを吹く有名なシーンです。
これはチャンスと思ったママは、「トランペット習ってみる?」と。
すると、もっちゃんは「ママが一緒なら習いに行く」。
ママも?
ママ…もう40歳過ぎで挑戦するの?
でも、これで、もっちゃんの喘息が治るならと意を決して申し込みしましたよ。
初めは音さえ鳴らないトランペット。
でも、徐々に音が出る様になり、なんとか音階を奏でる様に。
簡単な曲を演奏できる様になるまで一年。
最初に演奏できた曲は、パパの実家で行われるクリスマス会の発表を目標にした「ジングルベル」。
先生に簡単に演奏できる様にアレンジしてもらい、もっちゃんとママがコラボ演奏しました。
一曲できる様になると、どんどん楽しくなり練習にも熱が入ります。
同時期もっちゃんは小学校のブラスバンド倶楽部に加入しトランペットを演奏する機会を増やしていきました。
そんな時、トランペットの先生の指導が…
トランペットの先生は、日本人なのですがアメリカ生活の経験があり、お付き合いしている彼女がアメリカ人、勤め先がイギリス人の神父様の教会…
という訳で、英語を主とした生活を送り、英語訛りの日本語を話す方でした。
日本語が比較的苦手で、興奮すると英語になってしまいます。
もっちゃんの指導に熱が入った先生
英語で熱弁…
ママが聞き取れたのは「パッション、キープ、ディフィカルト」
多分、「情熱を維持することは難しいでしょう」と言ったのかな、で、難しいから違う方法を教えてあげるよと続けたかったんじゃないかな。
ところが、もっちゃん、英語が聞き取れず、意味がわからないと伝えたかったので、ハニカミながら「うーん…うーん」
察してくれた先生
「オー、英語解んないね。ソーリー。日本語で言うよ」
もっちゃん
「あー、プリーズ」
先生
「パッションをキープするのはディフィカルトでしょ」
えっ…
日本語は接続詞のみですけど…(笑)
案の定、意味がわからない、もっちゃん
「No」
先生
「No?、凄いねーもっちゃん、凄いよー素晴らしい」
と絶賛(笑)
おーい、会話噛み合って無いよー。
結局、情熱を維持できない時の方法を教えてもらえず時は過ぎ(笑)
更に一年後、目標達成。
天空の城ラピュタの「鳩と少年」を演奏できる様になり、トランペットを辞めました(笑)
勿論、ママもトランペット卒業。
ママともっちゃんのトランペットはまだ納戸にひっそりと眠っています。
ちなみに、もっちゃんの喘息はトランペットのお陰で完治しました。